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横浜ユナイトクリニック（ユナイテッドグループクリニック横浜院）

シアリスとは勃起不全治療薬のことでいわゆるED治療薬として広く知られています。ED治療薬として一番有名なバイアグラは世界初のED薬ですが、食事の影響を受けやすく、服用してから効果が出るまでの時間が長いこと、ほてりや頭痛などの副作用も出やすいなどの欠点があるお薬でした。これらを改善したお薬がレビトラや今回お話するシアリスです。

シアリスは日本イーライリーが製造・販売しており、効果時間が24～36時間と長時間作用し、副作用が最も少ないのが特徴で、2007年に厚生労働省の認可を受けて国内で販売が開始されました。2013年には世界で1番売れたED治療薬となっています。シアリスは東京、横浜の関東はもとより、大阪や名古屋、福岡、仙台、広島、沖縄などの日本全国の医療機関にて処方（購入）が可能となっています。今回はシアリスの効果、用量・用法、他のED薬との効果の比較、副作用やシアリスの価格などについてお話いたします。

シアリスとは

シアリスとは主成分「タダラフィル」。正式名称はPDE-5阻害薬（ホスホジエステラーゼ阻害薬）で勃起不全を改善します。シアリスはバイアグラ、レビトラの次に三番目に販売されたお薬で、食事の影響を受けにくく、また、性的刺激下で勃起機能を改善する効果が約36時間持続することが認められています。１日１回10mgを服用する。10mgで効果がなかった場合、医師の判断のもと、患者の状態に応じて20mgまで増量できます。シアリスはバイアグラ・レビトラと比較するとこれらと違い、マイルドな作用であるために20mg錠での服用が圧倒的な人気があるようです。1日に10mgまたは20mgを服用した場合、次回服用するためには24時間間隔をあけてください。シアリスは長時間作用していますが、性的興奮があってはじめて勃起します。ずっと勃起しているわけではないのでご安心ください。服用のタイミングを計ることによる焦りやプレッシャーを感じることなく、自然体でED治療を受けることを可能にした薬剤です。ではなぜシアリスは長時間作用するのでしょうか？

シアリスはなぜ長時間作用するのか？

シアリスの長時間の効果は薬の構造によります。普通、薬剤は胃で溶けて体に吸収されます。その後、肝臓で分解されてから効果が消え、体外へと排出されます。シアリスの主成分タダラフィルは分子構造がブロック状をしており、肝臓での分解が遅くなるため体内に残りやすくなり長時間作用します。薬の主成分が溶けにくいことでゆっくり効果がでるため副作用が少なく、食事の影響も受けにくいお薬となります。

EDとは？

そもそもED（勃起不全）とはどういうものなのでしょうか？EDは「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態」と定義されています。世界では成人男性の5～20％が中等度以上のEDとの報告があり、日本では過去の疫学調査で、1,130万人以上の男性がEDに罹患していると推測されています。高齢化の著しい日本では、今後さらに増えることが予測されています。勃起の仕組みには一酸化窒素が深くかかわります。人の体の神経や細胞をコントロールしているのは一酸化窒素（NO）です。勃起の仕組みはまず、性的な興奮や感情により、NOが増えます。

このNOが血管の細胞（血管平滑筋細胞）の中に入り、環状グアノシン一リン酸であるサイクリックGMP（cGMP）という化学物質が合成されます。cGMPが細胞の中にたくさん溜まると血管が拡張し、陰茎海綿体に血液が流れ込むことで勃起はおこります。ずっと勃起したままでは困りますので今度は勃起を中止するメカニズムが働きます。ｃGMPは細胞内の酵素であるホスホジエステラーゼ5型（PDE-５）酵素によって破壊されて、血管拡張効果がとまり、勃起は終了します。簡単に言うとｃGMPが勃起を開始し、PDE-5が勃起を終了させます。

勃起不全の原因は加齢、持病、ストレス、薬剤性、喫煙、飲酒など様々です。これらが原因となり陰茎の血流が滞ることで正常に勃起しなくなるのです。例えば、過食や運動不足を繰返すことでメタボになりますがメタボの人は体の細胞を損傷させる活性酵素が多く、酸化ストレスで血管が弱ってきます。陰茎の血管は細いため詰まりやすく、ED症状は身体が出す不調のサインの可能性もあります。また、性行為の失敗やトラウマなど精神的な要因でEDが起こることもありますのでEDの原因はひとそれぞれ違ってきます。

加齢や持病、喫煙、飲酒などは器質的要因、ストレスなどでEDとなる場合は心因性EDと定義されています。器質性ED、心因性EDどちらでも以下のような機序が認められます。勃起不全は様々な原因により勃起を促すcGMPが減っている状態にもかかわらず勃起を終了させるPDE-5がいつも通り出続けることで、勃起しにくい状態となっているのです。加齢や持病などでcGMPが減ったり、ストレスでcGMPが減っていることが根本的な問題ともいえます。

シアリスはPDE-5酵素阻害薬

シアリスの主成分タダラフィルは勃起を抑える酵素PDE-5を選択的に阻害し、陰茎周辺部のNO作動性神経に作用して血管を拡張させ、血流が増えることにより、ペニスが勃起し性行為が正常に行えるようになります。シアリスには性欲を亢進させたり、増加させるような効果はありません。1度体内に吸収させてしまえば食事の影響は受けにくいため使いやすいED薬として知られ、食事のタイミングや「～時間前には飲まなければいけない」といったプレッシャーから解放されます。薬が生体に作用する時間の目安である最高血中濃度も30分～4時間と個人差がありますが、だいたい2～3時間程度の方が多いようです。また、半減期（薬の全体量が半分になるまでの時間）が11時間半～17時間と非常に長いため、長時間にわたって安定したED改善効果が期待できる薬剤です

シアリスの副作用について

ED薬の中で最も副作用が少ないシアリスですがまったくないわけではありません。
国内データ：シアリス承認時に副作用が認めれたのは、国内用量反応試験においてシアリス5mg～20mg群に割り付けられた総症例257例中70例（27.2%）。頭痛29例（11.3%）、潮紅13例（5.1%）、ほてり9例（3.5%）、消化不良6例（2.3%）等。
海外データ：海外で実施されたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験（13試験）において、副作用が認められたのはシアリス2.5mg～20mg群に割り付けられた総症例2047例中599例（29.3%）。頭痛258例（12.6%）、消化不良139例（6.8%）、背部痛63例（3.1%）、筋痛57例（2.8%）、潮紅51例（2.5%）、鼻閉35例（1.7%）、四肢痛34例（1.7%）等。
ED薬には血流改善効果があるため、ほてりや頭痛の副作用は起こりやすいといえますが、レビトラやバイアグラに比べると約3割ほどと少ないのは確かです。また、シアリスには背部痛や筋肉系の痛みが出る可能性のありますのでご注意ください。

シアリスの服用方法

シアリスは性行為の3～4時間前に服用してください。体調によって効果しはじめる時間に違いがありますので幅を持たせて服用ください。
効果時間は10mgで24時間、20mgで36時間といわれています。1日の服用回数は1回で次にシアリスを服用するには24時間の間隔を空けてください。また、水か白湯で服用することも大事で、緑茶やジュースで飲むとカテキンやカフェインと反応し十分な効果がでないことがあります。ご注意ください。
シアリスは食事の影響を受けないと勘違いされている方も多くいらっしゃいますが、正確には食事の影響を受けにくいといえます。目安として800kcalまでなら食事の影響を受けないそうで、例えばお好み焼き1枚で約518kcal、ざる蕎麦は約342kcal、牛丼は約700kcal、カレーは約780kcalくらいですので目安にされてください。
シアリスを初めて服用して効果が感じられない場合でも体調や心理状態によって変わることがありますので4～8回くらいは試してください。一度試してうまくいかない場合でも、もうしばらく続けてみることをご検討ください。シアリスは長期間服用しても耐性ができるお薬ではありません。

シアリスの服用ができない方又は使用注意の方

シアリスに限らず薬剤はすべて肝臓で代謝されます。肝臓の代謝に関するお薬を服用している方は注意が必要です。特にCYP3A4という酵素を阻害する作用のあるお薬には注意しましょう。薬が効きすぎたり、効かなかった利する可能性があります。血圧を下げるお薬を飲まれている方（特にα遮断薬）はシアリスも少し血圧を下げる作用があるため併用すると血圧が下がりすぎる可能性があります。以下に代表的な薬剤名を記載しておきますが、ご心配な場合やわからない場合はお問合せいただくか、直接お薬手帳をご用意の上ご来院ください。

α遮断薬：高血圧や前立腺肥大の治療薬の一部 （以下、ハルナールからレギチーンまで主なα遮断薬）

ハルナール、 カルデナリン、ミニプレス、アビショット、デタントール、ユリーフ、ハイトラシン ドキサゾシン、テラゾシン、フリバス、ダウナット、 イセプレス、トラブゾン、エブランチル、レギチーン 等
降圧剤全般：アムロジン、ノルバスク 、メトプロロール、エナラプリル、カンデサルタン等
CYP3A誘導剤：リファンピシン、ボセンタン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テラプレビル、グレープフルーツジュース等
急性心不全治療剤：カルペリチド

また、処方できないケースとして3ヶ月以内に心筋梗塞の既往歴がある場合、6ヵ月以内に脳梗塞・脳出血の既往歴がある場合があげられます。これらの既往歴がある場合はシアリスを服用できません。

タダラフィルの適応症は3つある

タダラフィルには勃起不全症、肺動脈性高血圧症、前立腺肥大に伴う排尿障害という3つの適応症があります。そのため同じ主成分がタダラフィルでも適応により薬剤名が違い、勃起不全症ではシアリス、肺動脈性高血圧症ではアドルシカ、前立腺肥大に伴う排尿障害ではザルティアとして厚生労働省に認可されています。違いは用量でアドルシカは40mg（20mgを1日1回2錠）、シアリスは20ｍｇまでを1日1回1錠、ザルティアは5mgを1日1回1錠とされています。このようにシアリスは用量に応じて適応症が違っています。

シアリスジェネリック（タダラフィル）はいつ頃販売されるか？

シアリスジェネリックは早ければ2016年～2017年にシアリスジェネリックのタダラフィルが日本でも発売されるという噂があります。特許自体は2020年ごろまでのはずですので本来は出てこないはずですが、特許権自体は複雑で何かの特許権が満了する可能性があり、そのためシアリスジェネリックは早めに発売される可能性があります。海外ではすでに発売されているシアリスジェネリックですが、日本で入手しようとすると通販や個人輸入で入手する必要があります。ただシアリスの偽物が偽造品が多く、偽造品のシアリスジェネリックを服用したことによる死亡事故も発生しています。怪しい薬剤は口にしないようにしましょう。ユナイテッドクリニックでは医療機関でのED治療薬の処方をお勧めいたします。

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